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2024年06月26日

17期卒業生インタビュー ~アクセラレーターやメンターによる伴走、同期との切磋琢磨により大きく成長する5か月間~

ASACストーリー

17期卒業生インタビュー ~アクセラレーターやメンターによる伴走、同期との切磋琢磨により大きく成長する5か月間~


東京都は青山スタートアップアクセラレーションセンター(ASAC=エーサック)で、18 期にわたってアクセラレーションプログラムを主催してきた。今回は17期の卒業生12人の中から株式会社コレクテストの岩田翼代表取締役社長CEO、コンプライアンス・データラボ株式会社の山崎博史代表取締役、株式会社NIJINの星野達郎代表取締役に、アクセラレーションプログラムを振り返ってもらった。司会はASACのアクセラレーターも務めるデロイト トーマツ ベンチャーサポート(DTVS)の會田幸男プロジェクトマネージャー。


 
株式会社コレクテスト
代表取締役社長CEO
岩田 翼

 
コンプライアンス・データラボ株式会社
代表取締役
山崎 博史


 
株式会社NIJIN
代表取締役
星野 達郎

 
デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社
ASACプロジェクトマネージャー
會田 幸男


 

東京都主催のプログラムという安心感も手伝って応募


――ASACへの応募理由について教えてください

岩田:起業したばかりで、世の中にどういったアクセラレーションプログラムがあるのか把握していなかったのですが、東京都主催という安心感もあって応募しました。

山崎:(DTVSが主催するピッチイベントの)Meetup Sessionに登壇したのがきっかけです。成功する型を身に付けて事業をブラッシュアップし、PMFに向けてサポートを受けたいと思うようになりました。

星野:Meetup Sessionへの参加時に會田さんと出会いましたが、仕切りがめちゃくちゃイケイケで。私は根が教育家であるため、「何をやるか」よりも「誰といるか」を重視した人生観を持っています。會田さんの下で学ぶと成長できるかなと思ったのが理由です。

 


企業や自治体と連携して競争できる機会を得る


――どういった目標を設定しASACに臨みましたか

星野:ASACがスタートしたのは、60人の生徒を獲得してNIJINアカデミーを開講した翌月です。自社単独だと事業拡大に限界があるため、企業や自治体と連携して共創できる機会を得たいといった思いで参加しました。

山崎:プロダクトのPMF達成と、追加機能のデザインを明確にすること。それに資金調達。これらが目標でした。

岩田:トレーディングカードを利用するのは一般ユーザーですが、触れてもらうにはカードショップや企業など法人の助けが必要になります。法人にどういったアプローチをすればWin‐Winの関係を構築し、ユーザーが幸せになれるのか―。それを一緒に考え、伴走してくれたらと思っていました。


経営者にしてもらうための5カ月間だった


――5カ月という限られた期間の中、どういった形でアクセラレーターと連携を深めた結果、効果が表れたのでしょうか

岩田:ASACの素敵なところは、メンターが100人以上も存在し、それぞれのバックグラウンドも多岐にわたっている点です。私自身、プロダクトの在り方や資金調達などさまざまな課題を抱えていましたが、アクセラレーターからは課題に応じたメンターや個人的に付き合いのある企業を20社程度、紹介してくれました。例えばマーケティングで悩んでいると、「この部分はAさんに依頼するといいよ」といった形で紹介され、目からうろこが落ちるぐらい的確なアドバイスをいただきましたね。大企業との連携する方向で事業を進めていますが、これもアクセラレーターの力がフルに集結されたおかげです。

山崎:資料のうち新しい機能を説明する部分については、アクセラレーターの指導を踏まえ作成し直した結果、ASACの前と後でだいぶ変わり顧客反応はよくなりました。資金調達では数多くのVCとお会いして、その中の1社からは「出資したい」という話をいただきました。勉強会に招待してもらうなど今でも関係性は続いています。

――投資家に限らず、ASACを卒業した後も各メンターとのつながりを大事にしてほしい。事業の新たな展開や資金調達という局面に遭遇した際に「ASACで出会った企業、メンターとこういったことに取り組むようになりました」といった報告があればうれしいです。星野さんは私がアクセラレーターを勤めました

星野:一言で表すと、経営者にしてもらいました。會田さんからは最初のメンタリングで「目の前の数百人をお客様にしたいのか。それとも30万人いる不登校児全員を幸せにしたいのか」と問われました。当時は自分の顧客のことが精一杯。答えられませんでした。現在は間違いなく「後者です。そのためのことをやっています」と言える。そのための18週でした。
また、ASACに参加して多くの子供や保護者と話すようになった結果、人間関係が原因で不登校になった生徒の傾向を把握できました。近所の視線が気になって外出が不可能になり、自己肯定感が低くなるんですね。その事実を踏まえ議論を重ねるうちに、不登校児に足りないのは友達と双方向のリアルタイムの授業であることがわかってきました。ここからサービスの進むべき道が定まり、家でも最高峰の教育ができるという商品の核が決まった次第です。

 


他の起業家の課題を知ることも自分の成長につながる


――特に印象に残っているコンテンツは何ですか

岩田:スタートして1カ月後ぐらいに行われた合宿です。ある講師が全員のプレゼンを聞いた上で課題やポイントなどを洗い出したのですが、他メンバーとのやり取りを通じ「こういったところを押さえなければならないんだ」ということがわかり、勉強になりました。他の先輩起業家から踏みやすいトラップを個別具体に教えてもらったのも学びになりました。もっとも成果を報告するデモデイでは「ここまで成長したのか」と感じることがあり、焦りましたが。

――隣の起業家の課題は、自分たちの課題にも当てはまります。それを気づくことを大事にしてほしくて、12社全員に実施したのがその場でのフィードバック。いい意味で皆さんに、焦ってもらいました。山崎さんが印象に残っているのは

山崎:大企業とのコミュニケーションを構築できたことがすごくよかった。メンターの方々自身が新市場を開拓してきたこともあって、スタートアップを育成しようというスタンスが鮮明で、親身に接してくれました。まったく関係のない業界の方から「こういった仕組みにすればよくなるんじゃないか」というアドバイスをいただいた結果、色々な可能性が見えるようになった次第です。

――期間の途中で行うハーフデモデイなど、外部メンターとのディスカッションの場をASACとしては大事にしています。起業家と一緒に考え抜く。そういったスタンスで向き合うメンターの方々を迎え入れています。価値を認めてくれたのはうれしいですね。星野さんはいかがでしょう。

星野:キックオフミーティングと原体験ワークショップです。同期の人生・思いを聞くことによって、「自分の悩みなんてまったく小さい。いちいち悩まなくていいんだなあ」と思うようになりました。泥臭い部分を知ることができて、同期を一気に好きになり、バチバチに議論できる関係を作れました。



卒業後にも続く同期のつながり


――17期は特に横のつながりが強固だという印象があります

岩田:合宿などを通じて親交を深め、悩みを打ち明けたこともあって、起業家向けイベントに一緒に出かけるなどプライベートや仕事でかかわることが今でもあり、こうした関係はこれからも続くでしょう。

山崎:私は最年長でした。学生起業家もいましたが、「年上なんで」といった配慮もなく、気を遣わずに接してくれていろいろなことが聞けました。

星野:校長を務めるNIJINアカデミーで、経営者に登壇いただく機会を常々設けたいと思っています。また、星野起業塾というサービスを通じ起業教育関連のサービスを展開するときに、ASACのメンバーが手を貸してくれないかと思っています。教育者という観点でみると、みんなは勇気を与えられる存在ですからね。

 

ミドル・シニア層の起業家でも成長を実感できる場


――どういった起業家にASACに参加してほしいと思っていますか

岩田:起業して間もないといった部分は気にせず、「このサービスで社会をどうにかしたい」など、自分なりに考え抜いた気持ちや打ち手をぶつけ、120%、150%の熱量で貫く姿勢と覚悟を持っている人に受講してほしい。起業した時点のスキルやノウハウは、あまり関係ありません。

山崎:ミドル・シニア層に参加してほしい。経験を積んだ人は「そんなこと知っているよ」といった態度をとりがちですが、ASACは学ぶことが多いですし、改めて知ることもあります。若手の起業家からいろいろなものを学ぶ機会もあり、成長を遂げられるのではないでしょうか。

星野:教育者からの起業家が増えてほしいという思いが強くあります。ただ、教員は起業や経営に関する知識が不足しています。ASACは起業志望の教員・教育者を支えてくれる環境を提供しているので、志を持った教育者にきてほしいですね。

 

<担当アクセラレーターからのコメント>

伊達 貴徳(担当:株式会社コレクテスト)
岩田代表は起業前にビジネスの経験が豊富で、コレクテストのサービス(VSS鑑定)も創業間もなくローンチ済みでした。そのため、メンタリングよりも売り上げ、資金調達へ直接繋がる支援に注力し、結果いいマッチングができたと認識しております。

長澤 昌太(担当:コンプライアンス・データラボ株式会社)
山崎代表はサービスをローンチ済みでしたので、ASACでは今後の拡販を目指し、サービス開発と資金調達に重点を置きました。サービス開発面では、新機能の開発優先順位付けとメンター面談を通した業界理解の深化、資金調達面ではVCへのお繋ぎ等を支援させて頂きました。

會田 幸男(担当:株式会社NIJIN)
星野代表はユーザー獲得の観点で支援をさせていただきました。当初はマーケティングの支援を希望されていましたが、まずは、PSF達成に向けて顧客に向き合うこと、ユーザーインタビュー、アンケートを重ねて、ユーザーに求められるサービス開発とサービスの評価の可視化に取り組みました。

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